知財戦略の書籍読了【喧嘩の作法】久慈直登著
知財戦略のことが書かれた「喧嘩の作法」を読了しました。
すなわち、特許権をとったはいいがその後どうするか、どのような戦略で特許権を取得していくか(たとえばどの国に出せばよいか、など)が詳しく書かれています。
また、本書は専門書というよりも、久慈氏の経験が記載された文庫本という側面が大きく、知財初心者の方にも読みやすい本かと感じました。
本書の著者、久慈直登氏は、元HONDA(本田技研工業株式会社)の知財部出身で、各国での訴訟の経験をおもちだそうです。
本書も、久慈氏のHONDAでの経験をメインに記載されています。
知財訴訟は桶狭間の戦いなどの一般の戦いと同じで、自軍の武器が少なければ相手軍に攻め込むこともできず、かつ、自軍の武器が少ないと、相手軍にとっては攻め込めば潰せる相手とみなされます。
そこで、武器を多く保持することは大事なのですが、単に武器を多く保持すればよいというものではありません。
自軍に侵入してくる相手軍がいても、その大量の武器を使わず放置しているのであれば、これまた相手軍になめられます。
そのため、著者の久慈直登氏は、特許権などの知的財産権は、少し持っているだけでは不十分であり、かつ、大量に持っていても使わなければ意味がない旨、主張されています。
本書には、久慈氏の多岐にわたる経験から、特許をはじめとした知的財産権を行使することの重要性が記載されており、非常に説得力がありました。
知財専門家の方も、そうでない方にも読みやすく、有益な内容が記載されており、おすすめです。
コメント